バケツ稲作り 中干し
バケツで(正確には漬物樽)で作った稲トープで、稲を作っています。
6月初に種を植え、苗を作り、6月中旬に田植えをしました。
それが、今はここまで育ちました。
田植えをしてから1ヵ月、何も世話することなく勝手に育ってくれました。が、このくらいの背丈になったところで、「中干し」というものをするようです。
水を断ち土の水分を抜いて、土に酸素を含ませ直したり、稲の根張りを強くするための工程だそうです。土にヒビが入るには、数日かかることもあるそうです。
農家さんの田んぼも、カラカラになってる時がありましたが、水入れ忘れてたわけじゃなくて、中干しだったのですね。
当然、梅雨の間は中干しできませんから、梅雨明けから中干しです。ウチでも一昨日から水を足さないようにしました。
昨日(土曜日)、今日(日曜日)の稲トープの様子はこんな感じです。
おそらく、あと2~3日はかかるでしょう。乾燥させ過ぎるのも稲に悪いらしいので、よく様子を見ておかねばなりません。来週は全日リモートワークで良かった。
中干しと彩のきずな
この中干しという作業、遅植えの品種のお米の場合は、基本的にやるそうです。遅植え柄だと収穫が台風シーズンにかかるため、根をしっかり張らせて、風で倒れにくくしておかないと、台風で全部倒れてそれまでの苦労が・・・なんてことになりかねないからだそうです。
ウチの近くの田んぼは、最近非常に田植えが遅くなりました。おそらく、「彩のきずな」という、遅植えの品種を作っているからだろうと思います。「彩のきずな」は、暑さに強い品種で、日本穀物認定協会から最高位の特Aをもらうほど美味しく、超売れ筋の品種なので。
こちらの写真は、近隣で一番最初に田植えをした田んぼの7月初の様子。
しっかりヒビが入っています。こうなるまで水を抜き、根を強くするそうです。日付的に、梅雨のさなかに中干ししたようです。
中干しとカエル
この中干しで、オタマジャクシは当然全滅になります。生き延びれるのは、早くにカエルになった子達だけ。なんとも悲しい現実ですが、農家さんだって、オタマジャクシを育てるために田んぼやってるわけではないので、仕方ありません。
オタマジャクシの期間は諸説ありますが、おおよそ約2ヶ月くらいとすると、田植えが5月ごろで、7月初旬に中干しだと、ギリギリか間に合わうかどうかくらい。梅雨明け後に中干しだと、少しだけ猶予がある分、カエルになってる子の比率は高いかもしれません。
アマガエルは、田に水が入るとすぐ産卵する印象がありますし、オタマジャクシの期間も比較的短いようです。7月初ごろからチビアマガエルを頻繁に見るようになりましたが、5月初の産卵で産まれた子達でしょう。
ヌマガエルは、シーズン中何度も産卵するそうです。今ウチの庭に沢山居るチビヌマガエルは、おそらくアマガエル同様田に水が入った直後の産卵で産まれた子達でしょう。そして、ヌマガエルの場合中干し後にも産卵するそうです。熱帯性のカエルなので、雨期が来たらいつでも産卵できるようになってるのかもしれません。
一方、遅い田植えと中干しの影響を、モロに受けてそうなのがトノサマガエルやトウキョウダルマガエルです。従来の稲作のサイクルに合った生き方をしていると、オタマジャクシのまま中干しを迎えてしまい・・・
そういえば、ウチの庭にチビアマガエルやチビヌマガエルが来るようになったのも、お隣の農家さんの田んぼが中干しに入った時期と一致する気がします。
幸い、梅雨時の中干しだったので、チビガエル達も雨に日に移動してこれたのかもしれません。
国内外来種ヌマガエルを憂う
実はヌマガエル、国内外来種です。もともと関東には居なかったカエルが、キュウリの苗に紛れて移入されてしまい、それが大繁殖してしまったらしく。
最近は「外来種=悪」というイメージが強くなっています。ヌマガエルの場合、主に生活圏が重なるトウキョウダルマガエルの生息に悪影響を与えるリスクが指摘されています。確かにそれもあるだろうなとは思いますが、ヌマガエル達に罪はありません。ただただ、自分の生をまっとうしているだけです。
トウキョウダルマガエルが減っているのも事実でしょうが、それは主に水田の減少によるものでしょう。そして、温暖化による酷暑、稲作の変化による遅植えや中干し なども、トウキョウダルマガエルには都合が悪く、ヌマガエルにはさほど影響がありません。そりゃぁ、ヌマガエルが増えるわけです。
外来種のリスクや、生き物の病気などは、誰かが大いに騒ぎ立てることで、不必要に大袈裟な世論が形成されることが良くあります。ヌマガエルについては、今のところその手のヤリ玉に上がることはないようですが、今後いつそうなるかわかりません。ちょっと心配です。
台風で稲が倒れてしまうのも困るし、オタマジャクシがカエルになれないのも可哀そうだし、トウキョウダルマガエルがいなくなるのも困るし、ヌマガエルが居ることが悪とされるのもイヤだし・・・なかなか難しいですね。
自分は農業に関わってるわけでもないので、無責任なことは言えません。カエルの生息できる環境が多く残って欲しいと願ってはいますが、自分では何もできません。
自分ができるのは、ウチに住み着いてくれた子達を見守ることと、カエル達の可愛さを発信することくらいです。せめて、カエルを愛おしいと思ってくれる人が、増えてくれたら・・・と思っています。