きっかけは池仲間さんのボウフラ対策
今回は、ボウフラ対策のお話しです。(ちょっとマニアックかもしれません)
自分はボウフラ対策は一切してません。成虫に対しては、蚊取り線香4本同時着火&キンカンで凌いでいます。
が、池仲間のid:rmenx13さんは、池のボウフラ対策の1つとして、エアレーションで水面を波立たせてるとのこと。
池の水面を波立たせると、蚊は卵を産めない(産まない?)そうです。
が、ここで自分はこの対策が効くのか疑問に思いました。実際、コメント欄で、rmenx13さんに質問したりもしました。
だって、我々フライフィッシャーは、川でユスリカ(蚊の仲間)の幼虫や蛹を模したフライ(毛ばり)でお魚を釣っています。川には大小さまざまなユスリカが沢山いて、お魚達の大事な栄養源になっているのです。釣り具屋に行けば、川釣り用の餌として「アカムシ」を売ってますが、あれがユスリカの幼虫です。メダカの餌にもありますね。
川で生きてるユスリカの仲間である蚊が、エアレーションの波くらいで産卵できないとは、自分には到底思えません。
トンボ好きなrmenx13さん、「ユスリカが川で羽化するなら、流されちゃうのでは?」と思われたようですが、その通り。ユスリカは流されながら水面に辿り着き、流れながら水面で表面張力を頼りに羽化します。
もちろん、水面まで泳ぐ間や、水面で羽化してる最中は、お魚達の格好の餌食です。なので、同じ時間に一斉に羽化し、全部が食われないようにします。お魚達もその時間は、狂喜乱舞し食べまくりです。そして、その興奮状態になったお魚を、フライフィッシャーは狙うのです。ユスリカの羽化途中を模したフライ(毛ばり)で。
自分もそんなことをやってたもので、「水面波立たせるって、ホントに効果あるの?」と疑問に思っておりました。
勘違い
実はここで自分は勘違いをしています。が、それに気づくのはもっと後でした。自分の勘違いをそのまま書くと、こんな感じです。(この章に書いてあることは間違いです)
蚊を含むユスリカの仲間は、このように変態していきます。
右の写真はウチの水槽ですが、蚊ではなくユスリカなので、刺しません。蚊とユスリカは、そっくりですね。
「えっ、ボウフラって蛹なの?、動くのに?」と思うかもしれませんが、水生昆虫の蛹はたいてい泳ぎます。先ほど書いたように水面で羽化するので、水面まで泳がないといけませんから。
ユスリカの蛹が水面に向かって泳ぎ、羽化する様子がこちら。(この動画凄い!)
ちなみに、これらの各状態を、それぞれ模したフライ(毛ばり)がこちら。
フライでは、ラーバ(=アカムシ)、ピューパ(=蛹)、アダルト(成虫)と呼びます。
「ピューパ(=蛹)のケバケバは何さ?」と思うかもしれませんが、これは鴨のお尻の毛です。油分が多く水をはじき、毛ばりを水面に浮かせてくれるとともに、羽化したてのユスリカの羽も模しています。水面より上に出てるものは、水中のお魚からはあまり見えないので、リアルさは不要です。
「アダルト(成虫)が、全然違うんだけど・・」とも思いますよね。アダルト(=成虫)も、アメンボのように水面に足だけで乗ってるので、お魚からは良く見えないのです。お魚から良く見えるのは、水面に接しているユスリカの足による水面の窪みだけ、このフライはそれを上手く表しています。
特に良く釣れるのが、ピューパ(=蛹)です。どんな場所でも良く釣れます。
勘違いに気づく
水面を波立たせるボウフラ対策って、ホントに効果あるのかしら? と思いつつも、特に気にせず過ごしてました。が、ある日、自分の勘違いに気づきました。
水耕栽培の液肥を補充しようとしたら、そこに無数のボウフラがいたからです。
「おっ、ボウフラじゃん。水面に浮かんでるってことは、もうすぐ羽化するでしょ。」としばし見てましたが、全く羽化する様子はありません。そういえば、形状も細すぎで、蛹っぽくありません。よく見ると、太いフォルムの蛹(オニボウフラ)は別にいました。
ってことは、この細長いボウフラって、蛹じゃなくて幼虫(ラーバ)ってこと?、蚊の幼虫は、アカムシじゃなくてボウフラなの?
普通の人なら、「蚊の幼虫はボウフラ」って当たり前だと思うのですが、下手にユスリカの知識があるせいで、すっかり勘違いをしてしまいました。
正しくはこうでした。
蚊の幼虫は、アカムシじゃなくボウフラでした。
水の底に住むアカムシと違い、ボウフラは水面で暮らします。アカムシが酸素の少ない水の底で生きれるよう、ヘモグロビンをたくさん持つ(だから赤い)のに対し、ボウフラは、水面にお尻(尻尾?)を出して呼吸するそうです。
水面で暮らす以上、川には住めません。流されちゃいますから。お魚が居る水域にも住めないでしょう、恰好の餌食ですから。だから蚊は、流れがなく、他の生き物がいないような、小さな水たまりを探して産卵するそうです。
どうやら、水面波立たせておくとボウフラ対策になるのは、「蚊の雌が産卵場所に適さないと考え、卵を産み付けないから」ということのようです。
ボウフラが、蛹(オニボウフラ)⇒蚊になる動画も載せておきます。
刺さない蚊が欲しい
ユスリカと蚊が違うということが判ったところで、それならボウフラを殖やして、メダカや金魚の餌にしたいと思いました。
ユスリカ(アカムシ)は睡蓮鉢などにもわいてますが、水底の巣に潜ってるから餌になりづらいのです。一方ボウフラは、無防備に水面に浮かびクネクネしてますから、メダカの食いつきも抜群です。殖やすのも、容器に液肥を入れ、蓋して少し隙間を開けとくだけと簡単、ミジンコのように種ミジンコを買う必要もありません。
ただ、羽化しちゃうと厄介です。痒いだけならまだしも、感染症の心配があるので、やはり殖やしてはマズいでしょう。刺さない蚊(もしくは、ボウフラを産むユスリカ)がいればいいのですが・・・
グループ「池・ビオトープ」
話は変わりますが、グループを作ってみました。
グループって、たいして機能するわけでもない気もしますが、読者登録し合うきっかけなどにはなるかもしれません。
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