殺し合いを見たくない心理 と 思考停止
最近特定外来生物に指定され、ちょっと話題のアメリカザリガニ、こいつらすぐに共食いします。
飼い主としては、共食いは見たくありません。見るととても嫌な感情が生じます。それ見て飼うのを止め、川に放した人も多いと思います。
我々には、殺し合いを見たくないという心理が強くあるようです。
ウチの隣の田んぼは、一昨年に埋め立てられ、昨年宅地化され家が建ちました。今は新しい家に若いお隣さん夫婦が暮らしています。
これについては、特に嫌な感情が生じることはありません。
アメリカザリガニもトウキョウダルマガエルも全滅なのに。
「共食いによる1匹の死」と「生息域全体の消滅」、どちらがダメージが大きいかは明らかですが、我々の感情をより揺さぶるのは「共食い」です。
あからさまに殺し合いを見せらることは、感情的にインパクトが大きいようです。
もちろん、そういう感情が必要だから遺伝子的に備わっているということでしょうが。
今まさに、人間の争いで「あからさまに殺し合いを見せられる」状況になっています。
当然、ザリガニの共食いよりも、はるかにインパクトは大きい。そりゃぁ、感情揺さぶられます。
砲撃にあい病院に運び込まれるウクライナの少女の動画を見ました。懸命の処置にもかかわらず亡くなってしまい、医師は「プーチンにこれを見せろ」と叫ぶ。
これには自分も、大きく感情を揺さぶられました。
そして、「殺し合いはやめて!」「戦争やめて!」一色になります。ヘタすれば、全ての思考がそこで停止してしまいます。
一方で、ウクライナのコロナでの死者数は11万人です。
比較してどういう言うべき数字ではありませんが、これもかなりの数です。でも、こちらの数字にはさほど感情を揺さぶられることはありません。
やはり我々は、そういう感情の仕組みの生き物なんだろうと思います。
人間はプロパガンダに弱い
我々のそういう「感情の仕組み」を利用し行われるのがプロパガンダです。
プロパガンダというと悪いイメージがあるかもしれませんが、ここでは単に「特定の世論へ誘導する行為」という意味で使います。
攻められているため、感情に訴えるような映像がたくさんあり、それを効果的に使っています。
ゼレンスキ―大統領の訴えも、非常に効果的になされていると思います。最大の支援者がTV局オーナーのようなので、そのあたりも関係し上手なのかもしれません。
ロシア側もプロパガンダをしていますが、効果的ではないようです。
駐日ロシア連邦大使館なども必死にツイートしているようですが、今や誰も耳を傾けてくれません。
西側諸国の一員として、この状況は好ましいと感じています。
が、100%の善悪なんてないわけで、ウクライナだって怪しいことはあるっぽく。
プーチンはロシアではユダヤ系財閥を締め出しロシア経済を回復させたようですが、ウクライナではユダヤ系財閥が力を持ったままで、経済も停滞したまま、ウクライナの所得は非常に低いそうです。
そして、そのユダヤ系財閥は
・アメリカと手を組み、バイデン大統領の息子を取締役にしたり
・コメディアンを大統領に推して親ロ政権を倒したり(ゼレンスキ―大統領ですね)
・ネオナチ武装集団のスポンサーになっていたり(その武装集団が東部でロシア人を迫害したり)
といったことをしている模様。(詳しくないので間違いあればご指摘下さい)
だからといって侵略していいって話ではありませんが、ロシアの言い分も、全て間違いというわけでもないようです。
このあたりになると、素人には真偽さえわかりませんから、誰かに教えて欲しい。
キチンと両方の言い分を整理し、判り易く説明してくれる専門家が居るとよいのですが、なかなか両方の立場を踏まえつつ、でもやっぱりロシアが悪い と言ってくれる専門家が見当たりません。
そうなると、我々のプロパガンダに弱い「感情の仕組み」は、感情を大きく揺さぶられ思考停止状態ですから、プロパガンダにコロッと洗脳されてしまいます。
仮に、ウクライナがとても悪だくみをしているとしたら(←そんなことはまずありませんが、仮にあったなら)、世界中がコロッと騙されてしまっていることでしょう。
特に日本人は、極端な「戦争アレルギー」なので、なおさらでしょう。
そのせいか「ウクライナだって抗戦しなければ少なくとも死者は出なかったのに」と言う意見も目にします。
これなども、殺し合いを見たくないが故の思考停止だと思います。(そうじゃない人もいるかもしれませんが)
相手は、ホロドモールでウクライナ人を300万人以上殺した国です。
日本は降伏後にアメリカから殺戮されることはありませんでしたが、価値観が全く違うのかもしれません。日本人だって、ソ連には60万人をシベリア抑留されていますし。
本当なら、キチンと状況を正確に把握した上で、胸張って「ウクライナ支持です、募金します!」と言いたいところですが、それすらなかなか難しいです。
でもまぁ、さすがに今回は「ウクライナ支持です、募金します!」が間違いってことはないだろうと思っていますが。
日本国内でのプロパガンダ戦
当事国2国についてはそれでいいとしても、「今回の戦争を見た日本はどうする?」はどうでしょう?
これについても、日本国内では既にプロパガンダ戦が始まっていると考えています。
「核武装」「核共有」「ロシアの前に九条なんてい意味ない」という人達のプロパガンダも盛んだし、「これに乗じて核を言い出すなんてけしからん」「被爆国なのに」という人達も同様です。
間違いなく、夏の参院選の焦点になるでしょうから、各政党もそりゃぁ必死です。
しかし、我々はウクライナ側のプロパガンダに感情を大きく揺さぶられ、思考停止状態です。「殺し合いやめいよう」「戦争やめよう」で、思考が止まってしまいがちです。
が、それじゃあダメだと思います。だって、戦争はなくなりませんから。
もちろん「戦争をなくし平和を守る努力」をしっかりする必要はありますが、「戦争を仕掛けられたらどうするか?」は十分に考えておく必要があると思います。
ウクライナには申し訳ないがいい機会です。今考えずにいつ考える?ってくらい。
この議論についても、素人にはなかなか技術的なことはわかりません。
中立的に教えてくれる専門家が居て、ウクライナと日本の置かれている状況の違いや、日本の取り得る選択肢などを含め、いくつかの道筋を示してくれるといいなと思います。
だって、わからないままだと日本人は、「戦争アレルギー・思考停止」のままだろうと思うので。さすがに今回、このままでは不味いと感じたので。
しっかり議論して欲しい(したい)
そして最後に、一番言いたいこと。
「日本人が戦争アレルギー・思考停止のままで居て欲しい人達」がたくさんいます。日本の安全保障を強化をされると、都合が悪い人達です。(誰よそれ?)
そういう人達は、「戦争は悪なんだから、議論すらいけない」という論調で、感情に訴え、思考停止させるプロパガンダを仕掛けてきています。
だから、戦争見て感情揺さぶられ思考停止してたらダメだと強く思いました。
じゃなきゃ、そういう人たちの思う壺。しっかりしなきゃ!