※2016年1月6日にgoo blogに書いた記事の再投稿です。2016年はひと冬ずっと、敷布団の上に寝袋で寝る生活をしていました。その頃の記事です。今年も久しぶりに、寝袋で寝てみようかな?
冬到来
正月が過ぎて、やっと冬らしい寒さになりました。
家の暖房も、電気系から灯油ストーブに変えました。
通勤時の服装も、裸足は止めて靴下を履くようにし、ペナペナのウィンドブレーカーからキルトのコートに変えました。
寒がりな奥さんは、たらふく掛布団を掛けて寝ています。
寒がりなチビ姫(ミニチュアダックス)もそこに潜り込みます。
今年は僕が布団を使わない分、奥さんと子供は贅沢に布団を使ってて、見た目はとても暖かそうでちょっとうらやましい。
暖かくない掛布団
でもね、その布団に実際寝てみると、そう暖かくはないのです。
布団って、暖かさを追求した構造じゃないのですよ、実は。
僕もついこの間まで知らなかったことですが。
寝袋生活に慣れると、掛け布団なんてスースーしてしまって寒いのです。
寝袋なら、一度温まった空気は逃げることがほとんどありませんが、掛布団だと、いろんなところから逃げてしまうからです。
まず肩口、寝袋ならドローコード(ヒモ)で肩口を絞って暖気を閉じ込めますが、掛布団だとすき間を防ぎようがありません。
枕と棉毛布とですき間を埋める努力はしますが、それは寝返りを打った途端に崩壊します。
次に足元、寝袋なら足元は袋状なので空気が逃げる要素はありませんが、掛布団だと足元が多少スースーします。
よほど背が低く足元に余裕がある人でない限りそうなるでしょう。
僕は身長175cmと特別大きいわけではありませんが、普通の掛け布団だと足元が寒い。なので、普通より長い掛布団を使ってますが、それでも寒い。
布団に入った時点は問題なくとも、寝てるうちにたくし上げられたりするともうダメ、スカスカですから。
というように、掛布団って熱効率が悪いのです。
せっかく溜めた熱を逃がしやすい構造です。
熱を逃がさない構造という意味では、寝袋のほうが圧倒的に優れてます。
僕は2カ月間寝袋で寝てみて、身をもってよく理解しました。
かいまき布団
すると、そこで疑問が出てきます。
日本人は暖かくない掛布団にずっと甘んじてきたのか?
日本の布団職人は、そこに対して工夫をしてこなかったのか?
もちろん、匠の国の布団職人は工夫をしてきましたとも!
それが『掻巻(かいまき)』ですね。
wikipediaには、こう書いてあります。
・掻巻(かいまき)とは、袖のついた着物状の寝具のこと。
・掻巻は長着を大判にしたような形状で、首から肩を覆うことによって保温性に富む。
・掛布団のように掛けて用いるほか、寒さの厳しい東北地方などでは帯を用いて使用されてきた。
・問題点としては、帯を用いた場合に寝返りを打ちにくく、暑くても布団のように払えないため、寝苦しくて起きた場合に帯をはずしてしか脱げないことが挙げられる。
・現在では使用する家庭が少なくなってきている。
ちなみに、『寝具製作技能士』という布団職人の国家資格がありますが、掛けふとんを3時間30分で作れると2級、掻巻を6時間30分で作れると1級だそうです。
級にしても、製作時間にしても、掻巻の難易度が高いことがわかります。
ってことは、高いんでしょうね掻巻は。
それなら、掛布団を余計に一枚かければいいやとなりそうな気がします。
また、wikipediaに書かれてる
「問題点としては、帯を用いた場合に寝返りを打ちにくく、暑くても布団のように払えないため、 寝苦しくて起きた場合に帯をはずしてしか脱げないことが挙げられる。」
という記述、これも普及してない大きな理由な気もします。
掛布団の良さ
じゃ、掛布団の良さってなんだろうか? と考えると、掻巻の問題点の裏返しが、そのまま普通の掛布団の良さってことなんだと思います。
・構造がシンプルな故に、価格的にも入手しやすいこと
・暑い時に、手や足を出したり、払ったりしやすいこと
価格については、今は需要さえあれば生産流通の工夫でどうにでもなる世の中なので、掛布団の良さは主に後者でしょう。
そして実は、寝袋で寝ていて感じる掛布団の良さ(=寝袋の不都合)もほぼ同じです。
暑い時に、手や足をだしたり、払ったりできるってことって、暖かさ以上に重要な夜が多いのです。
多少寒いくらいなら、身体縮こまってなんとか寝れますが、暑すぎると寝てられませんから。
これも2カ月間寝袋で寝てみて、身をもってよく理解しました。
暑すぎる寝袋
そうなんです、僕の寝袋生活2カ月間は、暑過ぎに苦しめられました。
寝る時はいいんです。
身体にフィットする寝袋全体がだんだん暖かくなっていき、睡魔に吸い込まれ・・・ここまではとても快適です。
が、寝てるうちに暑くなってきます。
無意識(=眠ったまま)にサイドファスナーを開けたり、腕を出したりはできるようになりました。これで、だいぶ温度調整ができます。
でも、それでも暑すぎる夜はどうにもなりません。
サイドファスナーも腰あたりまでしか開けられない(構造的には開くが手が届かない)ので脚がとても暑くなって、たまらずに寝袋から抜け出したことが何度もありました。
掛布団ならば、足を投げ出せばいいだけなのに・・・
やっぱり、寒いテントで寝るわけじゃないなら、掛布団のほうが良いのかなぁ・・・と思ったこともありました。
寝袋の暑さ対策
でも、今はやっぱり寝袋で寝るのが快適だと思ってます。
寝袋の暑さ対策の工夫が一歩進歩したからです。
暑さ対策さえ進歩すれば、暖かさは断然寝袋のほうが優れてますから!
どうするのかというと、足元のサイドファスナーを、最初から開けておくのです。
こうしておけば、脚を出さなくとも、暑さがこもらず快適だとわかりました。
どうしても暑ければ脚を出せばいいのですが、その必要を感じたことはまだありません。
上半身が暑い時は、そうなってからサイドファスナーを開ければ熱気が抜けます。
下半身はサイドファスナーに手が届かないので、足元のサイドファスナーを最初から開けておきます。
で、下半身は最初から開けてるだけでは寒いので、寝袋の上に毛布を掛けておきます。
サイドファスナーを開けるといっても、開くのはすね~膝あたりだけ。足先~足首はそもそもファスナーが開きません、袋状に包まれて暖かいままです。
すね~膝が開いていても、毛布がかかっていれば暖かい空気は逃げません。暑過ぎるようになれば、毛布を蹴って払ってしまえばいいのです。
そして、払ったとしても、掛布団と違って脚マルだし状態にはなりません。足先と腰は寝袋でぐるりと包まれてますから、はだけ放題にはならないのです。
これこそが、寝相が悪い自分が、寝具に求めることなのです!
更なる寒さ
さて、暑さ対策は目途が経ちましたが、これから一層寒くなったらどうでしょう?、まだ未経験なので何とも言えません。が、ちょっと楽しみでもあります。
今僕が使ってる寝袋は、モンベルバロウバッグの#4という春秋用のコンパクトタイプ。
快適睡眠温度 2℃~11℃ ということらしいので、真冬でも家の中なら大丈夫かと思ってましたが、実際のところ、最近これだけじゃちょっと寒く感じます。
改めて調べてみたら、寝袋のメーカー表示はあてにならないそうです。男性でもプラス5℃くらいを選ぶのは常識、女性ならもっとみないとらしく。
実際、モンベル社の温度表示も最近より正確なものに変えたらしく、快適睡眠温度 から、プラス5℃前後されたコンフォート温度という表記に変わっていました。
で、#4という寝袋は今は廃版なので、コンフォート温度はメーカーから提示されてませんが、今も売ってる#3が6℃~、#5が9℃~なので、間の#4は7.5℃~くらいということかと。
7.5℃~じゃ、家の中と言え真冬には不十分な気がします。#2の2℃~くらいは必要なのかもしれません。
↑こちらが#2、モコモコしてて暖かそうですね(暑過ぎて死にそうな気もしますが・・・)
ま、寒かったら寝袋の上から布団かければ済むんですけどね。山に行ってるわけじゃないんだから。
いずれにしても、これから寒くなるのが楽しみです。
今週のお題「あったか~い」